もっと知りたい肌のこと~真皮・皮下組織編~


前回は表皮についてご紹介しました。
今回は真皮と皮下組織の仕組みや働きについて、ニナファームジャポンと一緒に探ってみましょう。

真皮

ふっくらとしたハリ・弾力に満ちた肌の土台を築く

表皮の下に位置し、肌のハリや弾力を内側からしっかりと支えているのが「真皮」です。頬を強く押してもきちんと元に戻るのは、この真皮の働きによるものです。

真皮は、繊維芽細胞によってつくり出される「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」などで構成されています。

まず、私たちが肌のハリ・弾力と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、コラーゲンではないでしょうか。

コラーゲンは主にタンパク質でできた線維で、太いロープ状になって真皮の中でネット構造をつくっています。

そしてコラーゲンをつなぎとめるようにしっかり束ねているのがエラスチンです。

コラーゲン同様、タンパク質でできていて、ゴムのように伸び縮みする性質があります。これによって肌に弾力性だけではなく、しなやかな柔軟性ももたらしています。

さらに、コラーゲンとエラスチンでできたネット構造のすき間を満たしているのがゼリー状の基質でできたヒアルロン酸です。

最大の特徴は水分を抱え込む力にすぐれていること。ヒアルロン酸は、1gあたり約6ℓもの保水力があり、肌のうるおいとともに柔軟性も維持しています。

真皮の中には皮下組織から伸びた血管もあり、栄養素などの供給や老廃物の排出を担い、真皮や表皮の肌細胞の活発な働きをサポートしています。

皮下組織

ハリ・ボリューム感を生み出す、皮下組織

肌のもっとも内側にある層が「皮下組織」です。一見、肌の美しさとは関係ないように思われますが、若々しさの象徴ともいえるふっくらとしたハリやボリューム感は真皮だけではなく、この皮下組織の状態も関係しています。

皮下組織の大部分は脂肪細胞が占めています。脂肪細胞の中には脂肪が貯蔵され、適切な量が保たれることで、ふっくらとしたハリやボリューム感が生まれます。

ところが、加齢とともに脂肪量が減少すると、皮下組織に厚みがなくなり、まるで空気が抜けた風船のように肌はしぼんだ状態となります。土台が貧弱になることで、その上の表皮や真皮は重力に引かれ、深いシワやたるみなどが現れるようになります。

多くの場合「脂肪=敵」というイメージを持ちますが、このように、肌の美しさを保つためにはほどよい脂肪量は欠かせない存在なのです。

また、適正な脂肪量を含んだ脂肪細胞からは、繊維芽細胞を活性化する生理活性物質が分泌され、コラーゲン生成の増加につながることもわかっています。

このほか、皮下組織は表皮や真皮の肌細胞に栄養素や酸素を運ぶ血管と、老廃物を回収し、排出するリンパが通る場所にもなっています。