体内の水分は細胞や血液に不可欠 ~水分補給~②


 

正しい水分摂取の仕方は少量を何回にも分けて飲む

1日に飲料水として摂るべき量は1.2リットルですが、単にがぶがぶと飲めばいいというわけではありません。一度に大量に飲めば胃液が薄まり食欲低下を招きます。暑さで食欲が減退する夏は特に注意が必要です。1回に200~300ミリリットル程度の水分をこまめに分けてゆっくりと飲むのがよいとされています。
人は寝ている間にかなりの汗をかくので、就寝前と起床後にコップ1杯の水を飲みましょう。また、入浴時にも汗をかくので、その前後に水分を摂るのもよいでしょう。水分ならなんでもいいかといえば、そんなことはありません。ジュースは糖分の摂りすぎになるので、基本的には水かお茶を。スポーツなどで大量の汗をかいたときは、塩分やエネルギー源になる糖分が入って吸収の良いスポーツ飲料が適しています。
ちなみにビールは1日に必要な水分の摂取量には計算されません。アルコールには利尿作用があるため体内から水分を排出する結果になります。お茶やコーヒーのカフェインにも利尿作用があるので摂りすぎは禁物です。
喉が渇いたと感じるときには、すでに体内からかなりの量の水分が失われた後かもしれません。喉が渇いたから飲むのではなく、渇く前にしっかりと水分補給することを心がけましょう。

汗をかくのは大切なこと。そして水分補給を忘れずに

夏の暑い時期、極力汗をかかないようにしている人はいませんか。それは逆効果です。汗は老廃物を排出し、体温調整するために必要なものです。適度に汗をかき、その分の水分を補給する、これが大事です。
暑いからといって入浴時に浴槽につからずシャワーだけで済ますのはいけません。夏こそ浴槽で身体を温めて汗をかき、お風呂上がりには水分補給をしっかりと。
また冷たい飲み物は夏バテのもと。腸で最も吸収しやすい飲み物の温度は5~15度です。特にエアコンの効いた部屋にいるときはノンカロリーの温かい飲み物を飲むようにするとよいでしょう。
水分補給は重要ですが、摂りすぎてしまうのも問題です。水分を摂りすぎると、その処理のために腎臓に負担がかかり、老廃物を取り除く機能が落ちてしまいます。その結果、身体がむくんだり、だるくなったりしてしまうのです。適度な水分補給で健康を保ち、残暑を乗り切りましょう。
 
~熱中症にならないために~
体内の水分や塩分が不足して起こるさまざまな不調を熱中症といいます。熱射病や熱けいれん、熱疲労などの総称が熱中症というわけです。
人間の体温は36度前後ですが、それよりも気温が高くなると体温コントロールがうまくできなくなります。汗をかくときの気化熱を利用して体温の上昇を抑えようとしても、湿度が高いと汗は肌を流れ落ちるばかりで蒸発してくれません。汗をかいても体温コントロールの役割は果たしてくれないのです。それが要因となり、真夏に熱中症で倒れる人が続出するのです。
熱中症は自覚症状が出たときには症状がかなり進んでいます。気温と湿度が高い日は特に注意。水分だけでなく塩分もしっかりと補給して、熱中症の予防を心がけましょう。