メイクは、色から光の時代へ・・・


女優やモデルのヘアメイクを担当するプロのアーティストとお話しする機会がありました。
その方によると、「今、メイクアップは大きな転換期を迎えている。」のだそうです。
これまで、プロはメイクボックスの中に、常時、何十種類ものメイクカラーを準備して、
たくさんの色を使って、肌の質感や顔立ちの美しさを表現するテクニックを磨きました。

ここで、メイクの流行の歴史を見ていきましょう。
西洋文化が多く取り入れられるようになった1900年はじめには、細く下がった眉とおちょぼ口の真っ赤な口紅が印象的な、日本の伝統を思わせるメイクが多かったようです。
それから徐々に眉は太くキリリとした印象となり、厚みと程よい艶・発色の良さが際立つ唇がメイクのトレンドとなりました。

1900年後半には、憧れの強い西洋文化に近いメイクが主流になりますが、やがて日本の美を意識したメイクが流行するようになります。
バブル期真っ只中になると華やかなアイカラーに唇を引き立たせる発色の良い口紅の「お嬢様メイク」が主流に。

ニナファームがフランスで設立された1993年頃には、再び細眉ブームが到来します。
細く吊り上った眉と鮮やかな色合いのアイカラー・リップが女性の顔を華やかに彩りました。
さらに、若者を中心に広がったコギャルメイクも印象的です。
メイクは時代とともに華やかさを増していきます。

ところが最近は、あえて色を使わずに光を利用するメイクに変化してきているそうです。
本来の肌色を活かしてトーンアップすることで、素肌そのものがキレイになったような、
透明感やハリのあるナチュラルで若々しい質感の肌を演出することができるといいます。
太陽や照明の光で欠点を飛ばして、「光を味方に付けること。」こそ、決め手だそうです。
「色を使えば使うほど、重ねれば重ねるほど、老け顔になってしまう。」とのことです。
光を集めて輝く、透明感あふれる若々しい質感の肌・・・目指したいですね。