体内の水分は細胞や血液に不可欠 ~水分補給~①


 

体内の水分は細胞や血液に不可欠
毎日きれいな水を循環させましょう

水を飲むのは喉の渇きを潤すため?いいえ、そうではありません。喉の渇きは体内の水分が減ったという赤信号。喉が渇く前にしっかりと水分を摂って、体内の水分量を一定に保つことが大切です。特に夏の暑い時期は汗を大量にかくため水分が不足しがちです。熱中症などこわい症状が現れる前に正しく水分補給をして、体調管理に気をつけましょう。

身体の60%は水分、1日に1.2リットルの摂取を

皆さんは1日にどれくらいの量の水を飲んでいますか?病気などをして医師に水分補給を指示されたときを除いて、あまり意識はしていないかもしれませんね。しかし、人間の身体は実にその60%が水分でできていて、その5%でも不足すれば、体温上昇、脈拍上昇、頭痛などの症状を引き起こすと言われています。ですから、適当な量の水分を摂ることはとても大事なことなのです。
では、体内の水分量を一定に保つためには、1日にどれだけの水分を摂ればよいのでしょう。人間は排泄や発汗のほかにも、息を吐くときに含まれる水蒸気や汗とまでは認識できない皮膚からの蒸発分などによって、1日に約2.5リットルの水分を失っています。その分を毎日補わなければならないわけですが、食物の中にも水分は含まれていますし、代謝水と言って体内でつくられる分もあるので、飲料水として摂るべき量は1日に1.2リットルほどです。特別に汗をかいた日は、もちろんその分もプラスして摂るようにしましょう。

血液や腎臓の働きを助け体温調整をする体内の水分

人間の身体は半分以上が水分ですが、体内でどのような働きを担っているのでしょうか。
体内の水分は約3分の2が細胞の中にある細胞内液です。細胞はたんぱく質、核酸、糖質などでできていますが、それを結びつけているのが細胞内液と呼ばれるゼリー状の水なのです。
残りの約3分の1は細胞外液と呼ばれ、体内を循環する血液やリンパ液などに含まれています。血液は身体の隅々に酸素や栄養を行きわたらせ、逆に老廃物などを運び出すという役割を果たしていますが、体内の水分が減ると血液がどろどろになり、この大切な役割が果たせなくなります。さらにひどくなると脳梗塞や動脈硬化などを引き起こすことにもなりかねません。特にその危険性が高まる40代以上の方は意識して水分を摂取することが大切です。
また腎臓は血液中の不要物をろ過して尿として排出する機能を持っていますが、ここでも多量の水分が必要になります。成人の1日の排尿量は約1.2リットルですが、これが0.5リットル以下になると体内の老廃物を出し切ることができないのです。
もうひとつ、体温調節も体内の水分の重要な役割です。体温の上昇を防ぐために、汗をかいて気化熱を出し、肌の表面温度を下げようとするのです。