エピファニー ~フランスから始まるライフスタイル~
あけましておめでとうございます。
ニナファームの発祥の地、フランスの文化を紹介するこの~フランスから始まるライフスタイル~。今回はフランスの新年のイベントについてご紹介します。
フランスの新年のイベントのひとつとして、1月6日のEpiphanie(エピファニー・公現節の日)があります。子供たちはこの日に食べられるガレット・デ・ロワというお菓子をとても楽しみにしているようです。
エピファニーは「出現」を意味する言葉で、クリスマスに誕生した生後12日後のキリストが、神の子として公にその姿を現したことをお祝いする日です。東方の三賢王メルシオール、ガスパール、バルタザールが、馬小屋で生まれたキリストに3つの贈り物を捧げて祝福したのが由来だとされています。
ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)は、フランス語で「王様のお菓子」という意味ですが、この3人の王にちなんで、エピファニーの日に食べるようになったそうです。
年が明けるとともに、金色の紙などでできた可愛い王冠をかぶったガレット・デ・ロワが、フランスのパン屋さんの店頭に一斉に並びます。パイ生地にアーモンドクリームを入れて焼き上げた丸い形状のものが一般的ですが、地方によってはブリオッシュになったり、ドライフルーツや砂糖をまぶしたものなど様々なものがあります。
ガレットの楽しみに欠かせないのは、中に隠されているフェーヴ(Fève)。フェーヴは、フランス語で「そら豆」という意味で、昔は本物のそら豆を使っていましたが、途中から小さな陶器の人形などが入れられるようになりました。
ガレットを切り分ける時、誰にフェーヴが当たるか分からないように、通常は出席者の中で一番若い人(大抵は子供)がテーブルの下に隠れ、切り分けられたガレットを誰に配るのか、名前を呼んで決めていきます。そして自分のガレットの中にフェーヴが入っていた人は王冠をかぶり、その日一日「王様」か「王女様」になります。フェーヴが当たった人は、その年は幸運が続くと言われています。
フランス大統領のためのガレット・デ・ロワには、フェーヴが入っていない!
毎年、フランス大統領官邸に、特大のガレット・デ・ロワが献上されるのが恒例となっています。今年は直径1.2m、約150人分の特大ガレットがエリゼー官邸に届けられ、大統領自らがガレットを切り分けたそうです。
ところが、このガレットにはフェーヴが入っていません。というのは、大統領がフェーヴをもらって、“王様”になってしまうことがないようにしたんだとか…!
さすが革命を起こして王制を廃止し、民主主義の土台を築きあげたフランスならではの発想ですね!