アニメ ~フランスから始まるライフスタイル~

毎年7月はじめに、日本文化に触れることができる欧州最大規模のイベント“JAPAN EXPO – ジャパン・エキスポ”がパリ郊外で開催されています。日本のマンガ、アニメ、音楽、ファッションなど日本の“今”を知ることができ、また書道や武道など日本伝統文化が紹介されています。

年々このイベントの来場者も増え、なかでもアニメやマンガは日本に負けないくらいのファンやコスプレイヤーが詰めかけます。実は、フランスは欧州の中でも1、2を争うアニメファンが多い国なんです。

1980年代に数々の日本のアニメがフランスで放送され、両親が共働きの多いフランスの子供たちの間でアニメを観ることが楽しみの一つになっていきました。

日本でもお馴染みのキャラクターがフランス語で会話しているのを見たとき不思議な気持ちになったのを思い出します(笑)。しかし、90年代になると日本のアニメがバッシングを受けはじめました。“日本のアニメは暴力的”—–そんな批判がフランス国内で高まり、日本のアニメがTVから姿を消していってしまったのです。

フランスには「ボンデシネ(通称BD)」という、日本のマンガとは違い、主にカラーでストーリーよりも絵を重視した絵本のようなマンガがあります。

アメリカのファンタジーをコンセプトにしたアニメーションやヒーローものに近く、日本のような毎回主人公と悪者がボロボロになるまで戦うなんてことはありません。それから言えば、確かに“日本のアニメは暴力的”だったかもしれませんね。

数年前の“日本アニメ空白時”を経て、90年代後半、再び日本のアニメが放送されるようになり今に至ります。TV放送がなくなってしまった数年間に、アニメファンはマンガ本を入手し読むようになりフランス語版も出版され、マンガ本は大成功を収めていきました。

そんな背景をもつ日本アニメ。今では、日本アニメやマンガに触れながら成長していった子供たちが10数年後の現在、大人になり、親日家、コスプレイヤーとしてアニメを通じて日本文化を広めてくれているのではないでしょうか。

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