お箸の国の宝物
ニナファームジャポンがある銀座には、和食はもちろん、中華料理や韓国料理、フレンチ、イタリアンなど各国の飲食店が揃っています。
日常的にお箸を使う国は、日本以外に韓国、中国、ベトナムなどアジアに多くありますが、スプーンやレンゲを併用せず、すべての料理にお箸だけを使うのは日本の和食だけです。
中国では汁物にはレンゲを使い、韓国ではご飯を食べるときには「スッカラ」と呼ばれるスプーンが使われています。
飲食店でビビンバを頼むとついてくるあのスプーン、といったらわかりやすいでしょうか。
使うカトラリーにも各国に違いがあり面白いですね。
国ごとに食習慣が異なり、マナー、タブーも様々ですが、器用で几帳面な我々の先祖は、知恵と心配りで、美味しく美しく食事を楽しむための作法を躾という形で伝えてきました。
大陸から伝わった道具を日本人特有の「美意識」で彩りながら文化にまで高めたのです。
箸置きは、まさに日本の美意識の一つ。
そもそも日本で箸が使われるようになったのは、聖徳太子が「中国人は箸を使っている」と知り、それまで手づかみで食事をとっていた日本が野蛮な国とレッテルを貼られないため、といわれています。
それから汚れた箸で食卓が汚れないように、と箸置きが使われるようになりました。
最近では箸置きのデザインも豊富で、食卓に簡単に彩りを足してくれるアイテムとして親しまれています。
また、日本特有の「嫌い箸」や「忌み箸」といったタブーの多さにも美意識が隠されています。
食事中に箸で人を指す「差し箸」、料理の上で箸を迷わせる「迷い箸」、箸についたものを舐め取る「ねぶり箸」・・・。
その他にも「そら箸」「握り箸」「探り箸」など日本には箸を使う上でのタブーがたくさんあります。
どれもこれも、美しく食事を取るためです。
最近は、外国人が上手にお箸を使ってお刺身や天ぷらなどを食べている姿を見かけます。
一方で正しくお箸を持てない、お箸が上手く使えない日本人が増えているのも現実です。
正しくお箸を持つことができれば、新鮮な卵の黄身をつまみあげたり、枝豆やピーナッツといった豆を掴むことも簡単です。
小さな料理もキレイな所作で食べることができます。
きちんとお箸を使って食べることは、美しいだけでなく本人も周りの人も美味しいのです。
立春は旧暦のお正月「キレイにお箸を使いこなすこと。」を今年の目標に加えませんか?
お箸の国の宝物・・・一生の財産です。