フランスから始まるライフスタイル ~フランス料理~


 

フランス料理の起源

世界最高の美食であるフランス料理。その起源は16世紀にイタリアからもたらされたといわれています。
フランス王アンリ2世のもとに嫁いできたイタリアの大富豪・メディチ家のカトリーヌが、当時世界最高の文化水準と、料理のレベルを誇っていたイタリアから多くの料理人や食材、食事のマナーをフランスの宮廷に導入しました。それを機に、当初はまだ洗練されていなかったフランス料理に変革をもたらし、ブルボン王朝の最盛期に発達しました。
現在のフルコースの原型が出来上がっていくのは、17世紀から18世紀にかけてのフランス絶対王政の最盛期になります。それは、太陽王と言われたルイ14世が、ベルサイユ宮殿で贅をつくした生活をしていた時代。フランスの宮廷料理は、イタリアのみならず、スペインやロシア、オーストリアの料理を吸収しながら、豪華かつ体系的なものになっていきます。コースの形式やマナーの基本、そして食器の並べ方などもこの頃完成されました。
民衆レベルにまで浸透していくのは18世紀の後半で、1789年のフランス革命により、宮廷で職を失った料理人が、街中でレストランなどを開くようになり、フランス王宮がつくりあげたこの料理体系が一般市民へと広まっていくことになったのです。
 

19世紀で今の形式に定着

19世紀に入り、それまで多くの料理を同時に食卓に並べていたフランス料理は、一品ずつ食卓に運ぶ形式に変わっていきます。これはもともと、寒冷なロシアで料理を冷まさず提供するため、フランス料理の料理人が工夫していたことがきっかけとなり、フランスに逆輸入され、フランス料理のコース形式として定着していきました。
 

フランス料理は各国料理の影響を受け、進化し続ける

フランス料理は、イタリア、スペイン、トルコ、モロッコなどのヨーロッパはもちろん、北アフリカや西アジア料理の影響を受けてきました。
1970年代には日本の懐石料理や京料理からもインスピレーションを受け、こってりとしたソースだけではなく、軽めの飽きのこない味付けに仕上げたり、それまでフランス料理にはなかった新鮮な素材を活かした調理法を取り入れるなど、盛りつけ方にもこだわる「新しい料理」を創り出し、《ヌーベル・キュイジーヌ》として世界中に広まりました。
1980年代に入ると、日本でも有名なロブション、デュカスらが、《キュイジーヌ・モデルヌ》と呼ばれる、さらにスタイリッシュでモダンなスタイルのフランス料理を生み出しました。料理法の発達とともに、食器、作法なども洗練された、私たちに馴染みのあるフランス料理がこのキュイジーヌ・モデルヌです。
そして、有名な《ミシュランガイド》などのレストランの格付けを行うガイドブックも発行されはじめ、さらにフランス料理が世界の美食と称されるようになっていったのです。