サビない身体でいつまでも若々しく②~活性酸素 vs 抗酸化酵素~
|酸素が体内で変化して生まれる活性酸素は1種類ではなく、構造の違うものが何種類もあります。人間の体内には主に以下の4種類が発生します。そして、それを退治する抗酸化酵素にもタイプの違うものがいくつもあるのです。
人間の体内で発生する主な活性酸素
スーパーオキシドラジカル
ミトコンドリアがエネルギーをつくる過程やウイルスなどが侵入したときに発生。また、スーパーオキシドラジカルは体内で最初に発生する活性酸素となり、化学反応によって過酸化水素や攻撃性の強いヒドロキシルラジカルへ変化します。
過酸化水素
主にスーパーオキシドラジカルがSODに分解された後に発生します。酸化力はそれほど強くありませんが寿命が長く、凶悪なヒドロキシルラジカルになりやすいという性質があります。
ヒドロキシルラジカル
スーパーオキシドラジカルや過酸化水素が反応して発生するほか、化学物質やストレスなどでも発生。活性酸素の中でもっとも酸化力が強く、体内のあらゆるものと反応し酸化させます。遺伝子や細胞膜を酸化させ、生活習慣病やガンを発生させるきっかけにもなるとされています。
一重項酸素
主に紫外線などにより、皮膚や目に発生する活性酸素です。皮膚では、肌の若さを保つコラーゲンやエラスチンなどを酸化させます。この活性酸素はほかのものと違い、体内の抗酸化酵素では無害化できないため、抗酸化物質を外から摂り入れる必要があります。
対抗する抗酸化酵素·抗酸化物質
SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)
スーパーオキシドラジカルを除去する酵素。スーパーオキシドラジカルはほかの活性酸素の発生源にもなるので、SODの役目はとても重要です。
カタラーゼ
肝臓や赤血球、腎臓の細胞に多く存在する酵素です。過酸化水素と反応して酸素と水に分解し、除去します。
グルタチオンペルオキシダーゼ
活性酸素の中でもっとも酸化力が強く危険なヒドロキシルラジカルを除去する酵素です。
グルタチオン
グルタチオンペルオキシダーゼの働きを支援する酵素です。
ビタミンC・E/β-カロチン/ポリフェノール類
ヒドロキシルラジカルを無害化する効果を持つ抗酸化物質です。
カロテノイド類/ポリフェノール類
一重項酸素を無害化する効果を持つ抗酸化物質です。
酸化と糖化は悪友!
酸化と並んでアンチエイジングの大敵と恐れられている糖化。
糖化とは、食事で過剰に摂取した糖質と身体を構成するタンパク質が結びついてAGEs(最終糖化産物)という異常タンパク質を生み出す現象です。これによりタンパク質は本来の正常な働きができなくなるため身体の機能が低下し、生活習慣病などのリスクを高めてしまうのです。
そして、この糖化反応にも活性酸素が関わっていることがわかっています。
活性酸素は身体を酸化させるだけではなく、糖質とタンパク質の結びつきを後押しし、糖化反応を促進させるのです。さらにAGEsは体内で異物扱いされ、それを除去しようと活性酸素が過剰発生します。
このように酸化と糖化は活性酸素を仲立ちとして、お互いがお互いの働きを促進し合う悪友関係にあります。だからこそ、抗酸化ライフで活性酸素を取り除く努力をすることが必要なのです。