血管と血液 前編:血液の巡り

抗酸化・抗糖化を行なうために整えるべき「巡り」が3つあります。今回はそのうちの一つ「血液の巡り」について前後編に分けてニナファームジャポンがお伝えしていきたいと思います。

血液の通り道、血管の役割

私たちの健康と美しい肌は、全身に張り巡らされた血管と、その中を流れる血液によって支えられています。

血液は、身体を構成する約60兆個の細胞すべてに酸素や栄養素を運搬するとともに、身体の正常な機能を維持するホルモンや酵素、さらに体内に侵入したウイルスや有害物質に対抗する免疫物質なども運んでいます。また、細胞の活動を邪魔する老廃物や疲労物質を回収するのも血液の役目です。

このように全身のすみずみを巡る血液は、それ自体が身体の自浄作用として、細胞の正常な活動にも大きく貢献しているのです。

そして、私たちの生命活動に関わるこの血液の通り道をつくっているのが「血管」です。血液の巡りをしっかりと維持するためにも、血管の役割について理解を深め、すこやかで若々しく保つことが大切です。

血管の老化とその要因

身体や肌の老化は普段から気にしていても、血管の老化に気づく人はなかなかいません。血管も身体や肌と同じように、年齢とともに老化していきます。さらに脂肪や糖質の多い食事、多量の飲酒、運動不足、喫煙などの生活習慣や大気汚染、食品添加物、電磁波など、日常的に受ける過度のストレスは、活性酸素を過剰に発生させる要因となり、血管の酸化と糖化を促進し、たとえ実年齢が若くても、血管年齢はそれを上回ることがあります。

また、血液中にコレステロールや中性脂肪、さらに、糖質が多くなると血液がドロドロになり、巡りがますます悪くなるばかりか、血管壁に蓄積し、血管を狭くしたり、塞いだりしてしまいます。そこを血液が無理に流れようとすると、絶えず強い圧力がかかり、血管壁が傷つき、血管の老化が加速してしまいます。

では、血管の老化とはどういう状態をいうのでしょうか。

まず、健康な血管はしなやかで弾力性があり、状況に応じて伸縮させながら血流を調節する機能が高い状態です。血液の通り道もきれいな丸いパイプ状になっています。

それに比べ老化した血管は、まさに逆の状態。しなやかさも弾力性も失うので、硬く、もろくなり、詰まりやすく、破裂しやすい状態です。例えるなら、まるで使い古しのボロボロのゴムホースです。この状態のホースは、ひび割れや内部の劣化、汚れの詰まりなどで水の通り道が狭くなり、水の出が悪くなってしまいますね。それと同じことが血管という私たちの大切な器官で起こります。

そのまま放置すると、細胞のすこやかな活動に支障をきたすばかりか、動脈硬化を起こし、日本人の3大疾患に数えられる脳卒中や心筋梗塞など、生命の危機に関わる病気を招くことも少なくありません。また、肌細胞に栄養素などが行き渡らなくなり、シワやたるみなどの深刻な肌トラブルや、血行不良を起こし冷え性、むくみなどの原因にもなります。