世界一おしゃれな紳士たち
ニナファームが生まれたフランスには最先端のファッション文化があります。
パリには有名な高級ブランド店が立ち並び、年に2回の「パリ・コレクション」は流行発信の場として注目されています。
そんなファッション文化はフランス以外でも世界各国で独自の文化が根付いています。
アフリカ コンゴ民主共和国にサプール(Sapeur)と呼ばれるおしゃれな男性たちがいます。
首都プラザヴィルのスラム街をディオールやランバンのスーツに身を包んで歩く紳士たち。
「エレガントで愉快な仲間たち」というフランス語の頭文字をとったSAPE(サップ)という「ファッション美学」があり、それを継承する男性たちを指す言葉がサプールです。
かつてフランスの植民地だったコンゴで、フレンチ・ファッションは独自の美意識で蘇りました。
コンゴの歌手が高級ブランドスーツに身を包みステージに上がったことで一大ブームを巻き起こし、SAPE(サップ)文化が定着します。
サプールたちは、一着のスーツに数か月分のお給料をつぎ込んで、ワードローブを満たします。
「コーディネートは3色以内」の鉄則を守り、ビビッドカラーのスーツも見事に着こなします。
帽子や葉巻、ステッキといった小物も忘れずに。
職人の師弟制度のように教養や、倫理観を伝承し、流暢なフランス語で「平和」を唱えます。
10代から80代まで、普段は電気技師、農夫、ドライバー、公務員などの仕事をしながら、週末になると、一流ブランドのスーツに身を固めて、軽快な足取りで街に繰り出します。
人に見られていることを忘れず、歩き方や目線にも気を配り、どこから見てもエレガントに見えるよう振る舞います。
彼らが歩けば人々が集まり、あちこちから声が掛かります。声援に応えてポーズを決め、ステップを踏んで見せると、大きな歓声や手拍子が起こり、街中が笑顔で溢れます。
スラム街のおしゃれなヒーローたちは、「武器を捨て、エレガントに生きる。」を哲学に、人々に勇気と元気を与えています。コンゴ政府も彼らの活動を「文化・芸術」として認め、今、世界中が注目しています。
世界的な写真展でもサプールのスタイルが紹介されたり、日本のテレビ番組で取り上げられることも。テレビCMやドキュメンタリー番組でも活躍する姿を見るようにまでなりました。
サプール…ルックスもマインドもエレガントな紳士たち。
カッコ良すぎです! ブラボー!!