肌が本来持つ力を発揮できる肌こそ美しい(後編)


前回は戦う力・守る力・保つ力をご紹介しました。
後編も、ニナファームジャポンと一緒に学んでいきましょう。

うるおす力

角層に備わる水分保持力は、守る力と保つ力でご紹介した細胞間脂質と皮脂膜の他に、「天然保湿因子(NMF)」が支えています。

皮脂膜は肌表面を覆って肌内部の水分蒸散を防ぎ、細胞間脂質は角層の細胞と細胞の間の水分をつなぎとめてキープしています。そして、天然保湿因子(NMF)は、その高い吸湿性によって細胞内の水分をしっかりと抱え込んでいます。

細胞間脂質と天然保湿因子(NMF)は、正常なターンオーバーによる細胞のすこやかな成長過程において十分につくり出されるものなので、さまざまな要因によってターンオーバーが乱れてしまうとこの2つの保湿成分が減少し水分保持力の低下を招きます。また角層内の水分量は、バリア機能の働きにも大きく影響します。ターンオーバーが乱れないように注意しましょう。

生まれ変わる力

見た目にも手触りにも影響し、肌の美しさを決定づけるのが「角層状態」です。健康な角層を維持することができると、年齢を重ねても常に若々しい肌印象を保つことができます。

そこでカギを握るのが、正常なサイクルで繰り返される「ターンオーバー」です。たとえば、肌にすり傷ができても、日焼けをしても、時間が経てば元のきれいな状態に戻ります。これは、ターンオーバーで肌細胞が絶えず新しいものに入れ替わっている証拠。

また、肌のみずみずしさやなめらかさ、明るさを引き出す肌本来の力も、ターンオーバーのサイクルが正常に整うことで発揮されます。ターンオーバーのサイクルは遅くても逆に早くても角層状態に影響し、肌の美しさそのものが失われてしまいます。
日々のケアで正常なサイクルを維持しましょう。

弾む力1

肌のハリと弾力を支える真皮の主役はコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸ですが、この3つをつくり出す源となるのが「線維芽細胞」です。
若い頃に感じた肌のハリや弾力は、線維芽細胞が活発に働き、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が古くなっても、すぐに分解し、新しいものをつくって、入れ替えることで保たれています。

ところが肌の老化を促進する酸化や糖化の影響によって線維芽細胞が衰えたり、数が少なくなると、古いものを分解したり、新しいものをつくり出したりする力が弱まるので、年齢を重ねるにつれてハリや弾力不足を感じてしまうというわけです。若々しい印象にもつながる肌のハリや弾力。それを保つには、線維芽細胞の働きを十分に発揮させることが大切です。

弾む力2

フェイスラインがすっきりと引き締まった上向きのハリ、ふっくらとしたボリューム感。これも若々しい印象を保つうえで欠かせない美肌の条件です。ここには主に2つの要素が関係しています。

一つは「コラーゲンの結束力」です。まずコラーゲンとは単純な1本の繊維ではなく、3本が束になった構造をしています。この束が強く結束し、さらに多く集まることで丈夫なコラーゲンとなり、真皮の中で立体的なネット構造をつくりながら表皮を下から支えています。

そしてもう一つは「皮下組織の脂肪量」です。脂肪と聞くとマイナスイメージに捉えがちですが、若さ特有のハリ・弾力・ボリューム感は適度な脂肪量があってこそ生まれます。いつまでも肌を美しく保つためには、脂肪は必要な存在といえます。