Kitchen Witch(キッチンウィッチ)

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Witch(魔女)なんていうと大きな鷲鼻に黒いぼろぼろの服に大きなつばの三角帽をかぶったおばあさんが毒リンゴをもって…なんていうイメージがあるかもしれませんが、実はヨーロッパでは昔から、清潔で美味しそうな匂いのする台所には、魔女が棲みついていて、火災や病気などの災いから、家と家族を見守っていてくれるという言い伝えがありました。随分とイメージが違いますよね?

そしてその言い伝えから発展して、美味しい料理が作れますように……家族がいつも健康で幸せに暮らせますように……。
そんな願いを込めて、台所に魔女の人形を飾るという風習が、今でも受け継がれています。

台所の魔女…Kitchen Witchは、ハーブとスパイスに関するエキスパートで、ハーブティやスープのレシピ、アロマテラピーなどの豊富な知識を身に付けていました。
そういったお料理や調合を行う姿が湯気の立ち昇る大鍋をかき混ぜる魔女のイメージに繋がっていったのではないのでしょうか。

日本でいうところの「おばあちゃんの知恵」にも近いものがあるかもしれませんね。

「Good Witch(グッドウィッチ)」という現代が舞台のアメリカのドラマがあるのですが、その中でも主役の女性は一見するとごく普通の優しそうで綺麗な女性。彼女はとても勘が鋭く、町の人々の不安やちょっとしたことにとてもよく気が付く、そしてお料理はもちろん、ハーブやアロマを調合するのも得意で、小さな町の中ではお医者さんよりも信頼されている、そんなあったかいお話です。きっとその魅力的でありながらミステリアスな雰囲気、そしてなんでも解決してしまう不思議な力が周りからはまるで魔法使いのように感じられるのでしょう。

本来魔女というのはそういった素敵な女性のことだったのではないでしょうか?なんて思っています。

以前、趣味で手作りの石けんや化粧品を台所で作っている私を見て、友人が言いました。
「もしかして、魔女?」…「だったらいいな!空を飛べるし、いろんなことができるのに」
それにそれって私が素敵っていうことじゃない?なんて心の中でうぬぼれてみたりして。

とりとめのない会話をしながら、ふと我が家のKitchen Witchに目をやると、彼女はホウキに跨り嬉しそうに揺れていました。