マザー・テレサ 「聖人」に・・・
ローマ法王フランシスコは、故マザー・テレサを「聖人」に加えることを承認しました。
聖人とは、カトリック教会の最高の位で、殉教者や敬けんな信仰の生涯を貫いた人が、死後に「2つの奇跡」を起こした実績が条件です。
マザー・テレサは、18歳で修道院に入り、貧困、飢餓に苦しむ人々や親のいない子供たちの救済を献身的に行い、「神の愛の宣教者会」を創立して、修道院、診療所、孤児院などを開設しました。その働きもあり、1979年にノーベル平和賞を受賞しました。
その際も彼女はこう言いのけました。
“私はノーベル平和賞にふさわしい者ではありません。けれど世界中の貧しい人々に代わって、この名誉ある賞をいただきます。私のための受賞晩餐会はいりません。どうぞ、そのお金を貧しい人々のためにお使い下さい”と。
元々は学校や修道会の指導を行っていましたが、その際に修道院の外の学校での指導を機にスラム街の過酷な住環境やそこに暮らす人々のリアルな暮らしを目の当たりにして、心を痛めるようになりました。
そして、ある日、汽車の中で「すべてを捨てて、貧しい人のために働きなさい」という啓示を受けたと言われています。その日のことは「決意の日」と呼ばれています。そしてスラムで働くことを決意したマザー・テレサは修道院を退会しました。
その後の生涯をインドの人々のために捧げ「貧民街の聖女」「生きる聖人」と呼ばれたマザー・テレサは、1997年87歳で亡くなりましたが、彼女は死後も奇跡を起こして、人々を救い続けたのです。
手の施しようのないガンに侵されたインド人の女性がマザー・テレサに願いをかけたところ、一晩でガンが消滅したことを2003年、当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世が奇跡と認めました。
脳腫瘍で危篤状態のブラジル人男性の妻がマザー・テレサに祈り、男性は回復しました。
医学的に説明不可能な治癒であり、今回、フランシスコ法王が2つ目の奇跡と認めたのです。
列聖式は来年9月に行われる予定で、次回の教皇枢密会で正式な日程が発表されます。