「シュトレン」
|
ニナファームジャポンのある銀座もクリスマスの装いで、期間限定のロマンチックな雰囲気が街を包んでいます。
毎年、この季節の楽しみのひとつに「シュトレン」というドイツの焼き菓子があります。
ドライフルーツやナッツなどをふんだんに練り込んで焼き上げたずっしり重いケーキで、粉雪を纏っているようにパウダーシュガーをまぶして仕上げ、日持ちするのが特徴です。
シュトレンの起源は14世紀にまでさかのぼります。記録には、教会の司教にクリスマスプレゼントとしてケーキを贈ったことが記されています。
ケーキは現在のシュトレンと同じ形で、幼い頃のイエスをかたどったものだといわれています。
更にその150年後、ドイツの都市であるドレスデンで「シュトレン」という名前のケーキが誕生します。
ここから「シュトレン」という名前が広がったため、現在ではシュトレンの発祥地はドレスデン、と多くの場所で言われるようになっています。
クリスマスといえば、日本では生クリームたっぷりの苺のケーキやチョコレートケーキといった甘いケーキを食べるのが一般的。
そんな日本とは異なり、ドイツではケーキよりもパンに近い「シュトレン」を食べるのが一般的で、1カ月近くかけて食べるそうです。
シュトレンは、小麦粉やナッツ・ドライフルーツなどの原材料の比重によってその種類が分かれます。
一般的な材料であるマジパンを使用しないバターシュトレンや、生地にアーモンドパウダーを練り込んだアーモンドシュトレン。
発祥の地・ドレスデンで作られたシュトレンはドレスナーシュトレンと呼ばれます。
以前、神戸に住んでいた時、はじめてドイツパン店のシュトレンを食べて感激して以来、毎年、12月になると玄関の棚の上にトレーを用意してシュトレンの「指定席」を作ります。
なぜ玄関なのか?・・・常温で涼しい場所だから・・・シュトレンは発酵食品、冷蔵厳禁。
切り方にも保存を考えたコツがあります。
まず半分に切って、中央から外に向かって、毎日、左右交互に薄くスライスして、切り口同士を合わせてラップとホイルで包みます。
今頃からクリスマスまで、熟成して変化する味を楽しみながら、毎日少しずつ食べます。
クリスマスを待つワクワクとシュトレンが小さくなっていく寂しさがスパイス役を果たしてくれます。