Madame の品格
「フランス人女性は、年齢と共に美しさを重ね、魅力を増す。」と言った人がいました。
また「女性はいくつになっても美しい」という価値観もフランスでは一般的です。
日本や一部の国では、若さこそが最高の魅力とするような価値観が定着していますが、フランスでは、伝統的に大人の女性をMadameと呼び、リスペクトする文化があります。
この場合のMadame(マダム)は、既婚の女性を指す言葉ではなく、敬意を込めた呼び方です。
Mademoiselle(マドモアゼル)が「お嬢ちゃん」的に未熟、未完成という意味合いで使われるのに対して、Madameは、知性や良識、品位ある立ち居振る舞いを身に付けた一人前の女性です。
若い頃にはなかったエレガントさや深い知性がそれまでの魅力にさらにプラスされていき、より一層美しくなる、ということです。
フランス人女性は、いくつになっても女性であること、女性に生まれたことを楽しみます。常に自然体で個性的、流行を追いかけることや他人と同じである必要はないのでしょう。
仕事も結婚などで辞めることは少なく、専業主婦の女性は珍しいです。女性としてのキャリアに裏打ちされたゆとりがエレガントを醸し出すのかもしれません。もちろんそれを可能にしているのは家事育児は夫婦で分担し、社会的にも働く女性を応援…応援というよりもそれが当たり前として成り立っているからですね。
また欧州では比較的多いのですが、結婚をせずにパートナーシップとして子供を設けるカップルも多いため、結婚に急ぐ女性も少なく、それもまた女性のキャリア形成に役立っているといえるのかもしれません。
また就業環境としてもフランスをはじめ欧州は労働時間が週35時間という規定の場合が多く、ワークライフバランスが整いやすく、セルフケアにも時間をかけられ、メリハリをつけて働くことが出来ます。
そういった環境のため、女性は自分らしく、何かのために自身を犠牲にすることなくやりたいことへ向かっていけるから年齢を重ねても輝いているのかもしれませんね。
国によって様々な価値観があり、それは一概に良い悪いでは片付けることはできません。若さはもちろんエネルギッシュで素晴らしいです。しかし若さを尊び過ぎ、老いを悲しいもの、良くないものとして考えてしまうのは女性自身が自分の行く先、自分たちの未来を切り捨てることになります。
それぞれの世代にそれぞれの美しさがあるという考えを持つことができれば、それはとても素敵なことです。また、それが生きることの楽しさにつながっていくのではないでしょうか。
美しく楽しく年齢を重ねていきたいですね!
フランス人女性たちは「年齢を重ねることは、若さを失うことではない。」ということを私たちに教えてくれています。