肌運命を開くターンオーバーの真実


 

ターンオーバーは古い角質が剥がれ落ちることだけじゃない!

ターンオーバーと聞いて真っ先に思い起こすのは、ひとつの肌細胞が誕生してから垢となって剥がれ落ちるまでのサイクルのこと。でも、それだけではありません。ターンオーバーの過程では、美肌のカギを握る強く美しい角層をつくるために肌細胞はさまざまな努力をしているのです。
 

◆強く美しい角層になるか、ならないかは、肌細胞の誕生から成長するまでの約14日間が重要!

健康な肌の場合、基底層で誕生した肌細胞は約14日間かけて有棘層→顆粒層の順に成長しながら移動していきます。その後、角層に移動し角質細胞に変化すると成長が止まり、さらに約14日間かけて肌表面へ移動して最後は垢となって剥がれ落ちます。
この一連のサイクルをターンオーバーと呼び、約28日間の周期を繰り返しながら肌は常に新しく生まれ変わっています。
そして今回注目したいのが有棘層と顆粒層にあたる「肌細胞の成長過程」です。基底層で誕生してから成長するまでのこの約14日間は、将来の角層状態の良し悪しに深く関わる重要な働きをしています。
まず、基底層で生まれた肌細胞が有棘層に移動すると角層を構成する角質細胞の主成分になるタンパク質をつくります。次の顆粒層では、細胞間脂質や天然保湿因子(NMF) の素となる脂質やタンパク質をつくります。つまりこの肌細胞の成長過程では、肌の美しさに関わるバリア機能や水分保持力がしっかりと発揮できるすこやかな角層形成のための準備期間というわけです。
 

◆ターンオーバーは遅すぎても早すぎても角層環境を乱す!

ターンオーバーのサイクルが乱れると肌細胞の成長が妨げられ、角質細胞は弱くなり細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)も減少。角層環境が不完全な状態になり肌の美しさも損なわれてしまいます。

遅すぎ
要因… 加齢・ストレスなど
加齢やストレスなどによって肌の代謝機能が低下。ターンオーバーが遅くなると肌細胞の成長が滞り、不完全な角層に。角質肥厚を招き、バリア機能や水分保持力が発揮できない。
主なトラブル
乾燥・小ジワ・シミ・くすみなど

早すぎ
要因… 間違ったスキンケアなど
ゴシゴシ擦るなどで角質が無理に剥がされると、そこを修復するために未熟なままの肌細胞がどんどん押し上げられ、不完全な角層に。刺激を受けやすく、水分も逃げてしまう。
主なトラブル
乾燥・敏感・肌荒れ 赤みなど
 

◆わずか0.02mmの世界で肌のキレイはつくられる

ターンオーバーの終点、角層は肌の最上部にあるわずか0.02mmの薄い層。肌細胞がスムーズに成長し、細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)に満たされたすこやかな角層では、外部刺激を防ぐ「守る力=バリア機能」や肌の乾きを防ぐ「うるおす力=水分保持力」が発揮されます。角層を強く美しく整えることは2つの力を最大限に引き出し、ふっくらとしたキメ、弾むようなハリや澄んだ透明感など、見た目の肌印象を美しく変えることにつながります。