正しい角質の状態がみずみずしい肌を生みだす ~美顔マッサージでさらに美しく~

人間の皮膚の最も外側にあり、大切な役割を果たしている“角質”。しかし、ときに「古くなった角質」「角質除去」など、あたかも悪者のように紹介されることが多いのも事実です。

角質は本当に悪者なのでしょうか? 肌の構造や角質の役割を知り、正しい角質ケアを実践することで、いつまでも若々しい、うるおいのある肌を保ちましょう。

肌細胞の最終形 「角質」が体を守る

人間の皮膚は、表皮・真皮・脂肪層(皮下組織)の3つの層から成っています。

表皮は薄く丈夫な層で異物が体内に入るのを防いでいます。真皮は主にコラーゲン線維とエラスチン繊維でできており、水分を蓄え、肌に弾力とハリをもたらします。脂肪層はクッションとなって内部を保護したり、エネルギーを貯蔵する役割を担っています。

外部刺激から体を守る働きを持つ表皮ですが、その最も外側でバリアとなっているのが「角質」です。

表皮は外側から、角層・顆粒層・有棘層・基底層に分かれており、真皮から栄養分の供給を受けて基底層で作られた肌細胞が、分裂しながら有棘細胞・顆粒細胞そして角質細胞へと変化していくのです。

細胞はそれぞれの層でタンパク質など必要な物質を作りながら肌表面に移動し、それにともなって細胞の形も役割も変化していきます。

角層に到達した細胞は、硬く平べったくなっています。核やミトコンドリアなど通常の細胞に見られる器官がなくなり、これ以上は分化しません。役目が終わったらあとは角片(垢)として剥がれ落ちるしかない、いわば死んだ細胞となっています。

このような細胞の変化を肌のターンオーバー(角化)と呼び、通常このサイクルは約28日間といわれています。

外部刺激をシャットアウトし水分を蓄える「角質」

角質が死んだ細胞と聞くと、除去すべきものと思われるかもしれませんが、決して角質は不要なものではありません。

角層は厚さわずか0.02mmと非常に薄い膜ですが、角質細胞が幾重にも重なっており、体内に微生物や刺激物質が入るのを防ぐという重要な働きをしています。

また、角層はこれほど薄いにもかかわらず、その細胞内に天然保湿因子を持っています。これによって適度な水分調整を行なって、体内の水分量を保ったり、体温調節をするという役割も担っているのです。

皮膚の一番外側にありますから、角質は私たちが毎日鏡をのぞいたときに目にする「肌そのもの」だともいえます。女性にとってのキメの揃ったみずみずしい肌、男性にとってのハリのある若々しい肌は、すべて角質を正しくケアすることによって得られるのです。

「角質」は多すぎも少なすぎも悪循環を引き起こす

角質は、その役割が終われば、剥がれ落ちるわけですが、さまざまな要因でその周期が崩れることがあります。

例えば、角質同士をくっつけている物質を分解して、剥離を促す役目の酵素の働きが、乾燥や加齢によって鈍くなることがあります。すると、不要になった角質が肌表面にとどまって角層は通常よりも厚くなり、肌が透明感を失ってくすんだり、荒れたりしてしまうのです。

また逆に、日焼けで皮膚が炎症を起こして角質が剥がれたり、間違ったスキンケアで必要以上に角質を取り除いてしまうと、角層が通常よりも薄くなり、肌の内側を守る機能が低下して角質肥厚を招き、肌荒れや乾線を引き起こしてしまいます。

そして、さらに怖いのは、このようにターンオーバーのサイクルが乱れることによって悪循環が起こり、乾繰した肌はより乾燥し、荒れた肌はさらに荒れてしまい、簡単には回復しなくなってしまうことです。

そうならないためにも、正しい角質の手入れを行ない、いつもバランスのよい状態に保つことが大切なのです。

洗顔はたっぷりの泡に汚れを吸着させる

肌のモイスチャーバランスを正しく維持するためには、役割を終えた角質のみを除去する正しい洗顔が何よりも大切です。ゴシゴシと強く肌をこすったり、刺激を感じるような洗顔料を使うのは、おすすめできません。

確かに汚れを取り除くことはできるでしょうが、大切な役割を持つ角質も必要以上に除去されてしまい、水分保持力やバリア機能が低下してしまう危険性があるからです。

角質除去には、石けんをきめ細かく泡立たせ、それをたっぷりと顔にのせて、やさしく泡を転がしながら、毛穴の汚れや古い角質を泡に吸着させるように洗顔しましょう。入浴後の毛穴が開いた状態で行なうのが、より効果的です。

できれば、肌のターンオーバーが最も活発になる午後10時より前に洗顔を済ませるのが理想的です。後は、化粧水でたっぷりと水分を補給しジェルでフタをしてあげましょう。

美顔マッサージでさらに美しく

角質ケアのあとは、マッサージでさらに肌の状態を向上させましょう。

1.リンパを流しやすくします
左手の指の腹を、右側の鎖骨の下の部分に沿って数回滑らせる。老廃物を押し出すイメージで鎖骨までもっていく。逆側も同様に。

2.小鼻から耳の横へさらに流し込みます
中指の腹で小鼻の横をプッシュし、そのまま頬骨のラインに沿って滑らせ、耳の奥のくぼみへ流し込みさらにプッシュ。その後、やさしく目の周りを円を描くように滑らせ、最後に耳横へ流す。

3.額とこめかみのツボを刺激します
人差し指、中指、薬指の3本の指の腹を使い、眉頭と額の中心にあるツボをプッシュ。その後、こめかみに向かって押すように流す。

4.顔全体の老廃物を完全に流します
額~耳横~耳後ろ~首筋を、人差し指・中指・薬指の3本の指の腹を使って滑らせる。最後に鎖骨のリンパへ顔全体の老廃物を流す。